炎症性腸疾患科
QOLを考慮した炎症性腸疾患の診断・治療を一貫して行っています
近隣のクリニックから紹介いただいた炎症性腸疾患(IBD)患者様、中でも潰瘍性大腸炎とクローン病の2つの疾患を対象に診断や治療を行っています。
IBDとは腸の粘膜に炎症や潰瘍を生じる原因不明の慢性疾患で、長期にわたり治療が必要となりますが、きちんとした診断・治療を行うことで日常生活を支障なく送ることができます。IBDは若年者に発症し、就学・就職・結婚などライフイベントに影響を与えるため、患者様のより良い日常生活を目標として治療を組み立てる「患者様個別のtreat to target」を心がけています。
当院の炎症性腸疾患科は、IBDの診断から内科治療、外科治療、術後治療を一貫して行っている全国でも数少ない診療科です。
- 診療日時
- 月曜
診療時間 14:00~17:00
受付時間 13:30~16:30
木曜・土曜(祝日除く)
診療時間 9:00~13:00 14:00~17:00
受付時間 8:00~12:30 13:30~16:30
- 連絡先
- TEL.092-832-1100(代表)
TEL.092-832-1226(予約専用)
潰瘍性大腸炎、クローン病、肛門疾患、下部消化管疾患 など
栄養療法には急性期の完全静脈栄養と維持期の経口(経管)栄養剤による治療、および低脂肪食の指導などが含まれます。副作用のない治療法です。
IBDの薬物療法は目覚ましく進歩しました。5-アミノサルチル酸製剤(5-ASA製剤)・ステロイド・血球成分除去療法・免疫調節剤・抗TNF-a受容体拮抗薬などを用いて炎症のコントロール、緩解期の維持を行います。
各々の疾患には手術適応があり、必要に応じて手術が施行されます。
術式としては、クローン病では、腸の狭窄や内瘻・外瘻、腹腔内膿瘍などに対する手術、潰瘍性大腸炎では大腸全摘術が施行されます。
潰瘍性大腸炎の病変
IBDは、欧米、特に白人に多いとされてきましたが、近年はアジア、アフリカでも増加し、日本でも増加傾向が続いています。日本における患者数増加は著しく、現在では潰瘍性大腸炎22万人、クローン病7万人と、IBDの患者数は30万人を超えると推定されています。厚生労働省の指定難病となっており、医療費助成制度の対象疾患となっています。
原因は不明ですが、免疫機能の異常、遺伝、食物、腸内細菌などが関連しているのではないかと考えられています。症状としては、下痢、血便、腹痛などで発症します。10代~20代の若年者を中心に発症し、病状の経過は、悪くなったり、落ち着いたりを繰り返します。
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に広がります。
潰瘍性大腸炎医療受給者証交付件数の推移
潰瘍性大腸炎の推定発症年齢
難病情報センターホームページ(2021年9月現在)から引用
クローン病の病変
クローン病は主として若年者にみられ、口腔にはじまり肛門に至るまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こり得ますが、小腸と大腸を中心として特に小腸末端部が好発部位です。非連続性の病変(病変と病変の間に正常部分が存在すること)を特徴とします。難治性痔瘻を合併することも特徴です。
クローン病医療受給者証交付件数の推移
クローン病の推定発症年齢