医療法人社団 高邦会 福岡山王病院

診療科・センター

脳神経外科

脳卒中科とも密に連携して、脳卒中の急性・慢性期に対応しています

脳神経外科は、脳の病気だけではなく、末梢神経や脊髄の病気も扱います。また、脳・神経機能センターでは脳卒中科・脳神経内科・整形外科・放射線科・麻酔科などの専門医と意見を交換しながら、手術が最良の治療法と判断された場合にのみ手術をお勧めいたします。さらに、最新の機能画像診断や術中モニタリングも行っております。
現在は外来診療が主ですが、他院の脳神経外科と同様に、脳・脊髄腫瘍、脳卒中(脳出血、脳梗塞)、未破裂脳動脈瘤、(正常圧)水頭症、頭部外傷などに対する治療が可能です。
 
  1. 舌咽神経痛・三叉神経痛・片側顔面けいれんに対する神経血管減圧術の是非の診断と治療
  2. パーキンソン病、ふるえ、ジストニアなどに対する脳深部剌激療法
  3. てんかんに対する焦点切除術の可能性の提示
  4. 痙性斜頚に対する末梢神経治療
  5. 難治性疼痛に対する脊髄剌激療法、運動皮質刺激療法、末梢神経手術の適応と内服加療
  6. 痙縮(けいしゅく)に対するバクロフェン髄注療法、ボツリヌス療法
診療日時
水・木曜(祝日除く)
診療時間 9:00~13:00 14:00~17:00
受付時間 8:00~12:30 13:30~16:30
※診察につきましては、変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
連絡先
TEL.092-832-1100(代表)
TEL.092-832-1226(予約専用)

対象となる主な疾患

脳腫瘍、脳卒中、難治性てんかん、片側顔面けいれん、運動異常症(パーキンソン病・振戦・ジストニア)、難治性疼痛、顔面痛(三叉神経痛)、脊髄小脳変性症、パーキンソン病、認知症、もやもや病など

特色ある治療

パーキンソン病に対するリハビリテーション

パーキンソン病は、病状が進行すると活動の制限や転倒の危険性が生じてきます。身体の運動機能の維持や向上のためには、リハビリテーションが非常に重要です。当院では、病状の重症度など患者様の状況に合わせて、適切なリハビリテーションを行います。またパーキンソン体操などご自宅で自分でできる運動の指導も合わせて行っています。

痙縮に対するボツリヌス療法

脳卒中でよくみられる運動(機能)障害の1つに痙縮という症状があります。痙縮とは、筋肉が緊張しすぎて手足が動かしにくかったり、勝手に動いてしまったりする状態のことです。痙縮では、以下の症状がみられます。

主な症状

  • 手指が握ったままとなり開こうとしても開きにくい
  • 肘が曲がる
  • 足先が足の裏側のほうに曲がってしまう
日常生活を送る上で大きな障害となることも少なくありません。このような痙縮に対する新しい治療法として近年、「ボツリヌス療法」が行われています。

ボツリヌス療法

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を成分とする薬を筋内に注射する治療法です。ボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があります。そのため、ボツリヌストキシンを注射すると筋肉の緊張をやわらげる効果が期待でき、適切なリハビリテーションを行いやすくなります。
※ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。

ボツリヌス療法によって期待できる効果

  • 手足の筋肉がやわらかくなり、動かしやすくなります。
  • 関節が固まって動きにくくなるのを予防します。
  • 関節が変形するのを予防します。
  • リハビリテーションが行いやすくなります。
  • 痛みを和らげる効果が期待できます。
  • 介護の負担が軽くなります。

ボツリヌス療法を希望される患者様へ

  1. ボツリヌス療法は、1回打てば終わりの治療法ではなく、定期的な投与(3~4か月に1度)とリハビリテーションの継続が必要な治療法です。
  2. ボツリヌス毒素の注射を打っただけで、動かなくなった手足が動くようになるわけではありません。あくまでも硬くなった筋肉を柔らかくすることで、適切なリハビリテーションを行いやすくするものです。リハビリテーションと併用することが望ましい治療です。
  3. リハビリテーションは投与後、リハビリテーションスタッフが指導します。
  4. 効果は、個人差が大きいことをご理解ください。患者様と相談しながら具体的で現実的な目標を決定します。
  5. ボツリヌス療法を受けた後に副作用として▽注射部位がはれる▽赤くなる▽痛みを感じる▽体がだるくなる▽力が入らない▽立っていられない――などの症状が現れることがあります。これらの症状は多くが一時的なものですが、症状が現れた場合は医師に相談してください。
  6. ボツリヌス療法は、注射薬そのものが非常に高価なため、障害者手帳(1・2級)をお持ちでない方は、医療費が高額になる場合があります。具体的な費用は、使用する量にもよりますが、3割負担の場合、1回1万5千円から8万円程度です。