卵子や精子の凍結
多胎妊娠の防止、妊娠率を高める&身体的、経済的負担を軽減する
受精卵(胚)の凍結保存
受精卵(胚)の凍結保存は、体外受精や顕微授精で受精・発育した受精卵を凍結させて長期間保存しておく方法で、元々は多胎妊娠を防ぐために開発されました。現在では、採卵した周期では移植せずに全て凍結して、別の周期に移植する割合もかなり高くなりつつあります(全胚凍結法)。
体外受精や顕微授精では、一度の採卵で得られた卵子のうち、受精した良好な受精卵(胚)を移植しますが、余った受精卵(胚)を余剰胚として凍結保存しておくことができます。その周期に妊娠が成立しなかった場合でも、別の周期に胚を融解して移植することができるため、排卵誘発や採卵に伴う身体的、経済的な負担を軽減することができます。
長所
- 多胎妊娠を防止するため(移植する受精卵(胚)の数を制限して多胎妊娠を防ぐ)
- 採卵した周期よりも好ましい着床環境に整えてから受精卵(胚)を移植することで、妊娠率の向上が期待できる。
- 重症の卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を発症して採卵周期での移植が望ましくない場合に、症状が改善した後で受精卵(胚)を移植することができる。
- 排卵誘発や採卵に伴う身体的、経済的な負担を軽減することができる。
精子の半永久的な保存ができる
精子凍結保存
精子を凍結することで半永久的に保存することが可能です。
目的
- 人工授精や体外受精をする時に、当日の採精が困難な場合。
出張など、夫の不在に備えるため。 - 将来の精子形成障害に備えて保存するため。
抗がん剤や放射線治療によって精子を作れなくなったとしても、凍結した精子を使って子供を持つ可能性を残すことができます。