患者様にやさしいがん治療 ~放射線治療科~

切らずに治すがん治療

放射線治療装置「リニアック」 放射線治療は、手術療法や化学療法と並ぶがんの主要な治療法のひとつです。放射線の細胞分裂を止める作用によって腫瘍を縮小させ、切らずにがんを治療できます。手術のように傷跡や身体の外観・機能が損なわれることもなく、麻酔をかける必要もありません。体にあたっても熱くも痛くもありません。
 当科では、放射線治療専門医が精密に治療計画を立て、非常に精度の高い細心の放射線治療装置「リニアック」を用いて病巣部のみにピンポイントで照射し治療します。必要な範囲以外に照射される放射線は最小限にできるため、患者様に安心して受けていただけます。

細胞イメージ図

痛みを取り除きます

 がんの患者様を悩ませる問題のひとつに、がんによる疼痛があります。特に進行期、末期の患者様の7-8割は疼痛を訴えられます。疼痛は患者様の生活の質(QOL)を著しく損ないます。がんによる疼痛の除去にも、放射線治療は優れた効果があります。例えば、骨転移による疼痛がある場合、転移部位に放射線治療を行うことで8-9割の患者様の疼痛が軽減し、うち半数は疼痛が消滅してしまいます。がんによる神経麻痺、出血、呼吸障害、食物通過障害といったさまざまな症状の改善にも放射線治療は有効です。

放射線治療の流れ

放射線治療が有効であった症例

症例①[進行食道がん]
治療前は食道の中を占拠する大きながんによって食べ物が全く通過しませんでしたが、放射線治療後にがんは消失し、何でも好きなものを食べることができるようになりました。
症例③[肺がんの骨転移]
治療前、転移したがんが背中の骨を破壊(矢印)し、激痛で全く歩くことができませんでした。しかし、放射線治療後は痛みが消失し、歩行が可能となり豊かな日常生活を取り戻されました。治療後6か月のCTではがんが消失して骨が再び硬くなっています。
症例②[肺がん]
外来通院で、再発肺がん(矢印)に対して放射線治療を行いました。治療後のCTで腫瘍はほぼ消失しています。

担当医師紹介

早渕 尚文

【高邦会放射線治療センター長、国際医療福祉大学教授】
早渕 尚文(はやぶち なおふみ)
久留米大学名誉教授
九州大学卒
前久留米大学放射線科主任教授
日本放射線腫瘍学会および日本医学放射線学会認定放射線治療専門医
放射線治療品質管理機構監事、日本頭頸部癌学会理事 ●医学博士

放射線治療科医師からのご案内

 放射線治療は、あらゆるがんに対する治療として、最大の効果と最小の副作用をめざし、手術や化学療法とともに、がん治療の根幹をなしています。また、がんの根治だけでなく、再発・転移などに伴う疼痛や神経麻痺などの症状をやわらげることができます。
 一人でも多くのがん患者様に、福岡山王病院の高精度放射線治療を有効に利用していただけるよう、職員一同、医療技術の向上に日々努めております。

からだに優しいがん治療です

 がんの治療は日進月歩で、とりわけ放射線治療は進化するコンピューター技術の恩恵を最も受けている分野です。 従来の放射線治療では、病巣部の近くにある正常な臓器にも広く放射線が当たってしまうため、副作用も大きいことが問題でした。
 ところが近年、CTやMRIなどの画像診断技術を応用した高精度放射線治療機器が開発され、病巣部の詳細な画像情報をもとに、正確な位置を3次元で把握することが可能になりました。加えて、マルチリーフコリメータと呼ばれる小さな放射線遮蔽体をミリメートル単位で操作することで、病巣部へのピンポイント照射ができるようになりました。これらハイテクノロジーに裏打ちされた照射技術の向上によって、今では放射線治療に伴う副作用の問題は少なくなりました。
 手術や強い抗がん剤の使用を避けたい高齢の患者様にも安心して受けていただける、患者様に優しいがんの根治療法として、放射線治療は非常に注目されています。

放射線治療科 診察のご案内 毎週月曜日 9時~13時(受付は8時~12時30分)