医療法人社団 高邦会 福岡山王病院

診療科・センター

音声・嚥下センター

音声障害、嚥下障害の治療に特化した診療センターです

喉頭ストロボスコピー、フォノグラム、嚥下造影検査などを用いて、発声や嚥下の機能を多角的に評価し、声帯麻痺や声帯ポリープ、声帯結節などに対する手術や声門下狭窄、嚥下障害などに対する治療と言語聴覚士によるリハビリテーションを行います。
診療日時
月~土曜(祝日除く)

診療時間
9:00~13:00 14:00~17:00
受付時間
初診 8:00~11:00 13:30~15:30
再診 8:00~11:30 13:30~16:30
※診察につきましては、変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
連絡先
TEL.092-832-1100(代表)
TEL.092-832-1226(予約専用)

対象症状

声がかれる、声が出しづらい、会話中に声がふるえる、声がつまる、飲み込みが悪い、飲み物でむせる、のどの通りが悪い、のどが痛い、味がしない、首のしこり など

対象疾患

嚥下障害(脳神経まひ、脳卒中後、神経・筋疾患、頭頸部がん術後など)声帯ポリープ声帯結節声帯まひ(反回神経まひ)ポリープ様声帯、喉頭がん、けいれん性発声障害、その他の機能性(心因性)発声障害、喉頭・気管狭窄、など

嚥下造影検査

ものを飲み込むときの様子を、X線を使って撮影します。ものが喉をスムーズに通っているか、また固いもの・柔らかいもので違いはないかなどを観察します。

喉頭ストロボスコピー

声を出すときに声帯が波打って振動している様子を見る検査です。声帯に特殊なストロボを小刻みにあてながらカメラで撮影し、声帯の振動状態を詳しく観察します。

言語聴覚士によるリハビリテーション

患者様の症状に応じて、どのようなリハビリテーションを行うかを検討し、発声や嚥下の機能回復を図ります。

痙攣性発声障害

痙攣(けいれん)性発声障害とは、声を出そうとしても声帯が異常な動きをしてしまい、「声が出ない」「ふるえる」「つまる」などの症状があらわれて、うまく話せなくなってしまう難治性疾患です。比較的若い女性に多く発症します。声帯そのものには異常がないことが多く、耳鼻咽喉科で診察をうけても診断がつかないこともあります。

当院では、ボトックス注射に加え、チタンブリッジを用いた甲状軟骨形成術の治療を行っています。チタンブリッジを用いた甲状軟骨形成術とは、声帯が強く閉まらないように甲状軟骨(喉頭の軟骨)を縦に切開し、声帯と軟骨の付着部を軟骨ごと外側に広げて固定する手術術式で、半永久的な効果が期待できます。局所麻酔で行われ、手術中に患者様が発声しながら切開幅を調節することが可能で、適切な症状の改善が期待できます。手術時間は1~1時間半程度です。声帯が腫れることがあるため、手術後3日間くらいは声を出さない「沈黙療法」が必要となります。

音声・嚥下センターの梅﨑俊郎センター部長は、このチタンブリッジを用いた甲状軟骨形成術の実施医認定を既に取得しており、現在のところ、福岡地区では当センターのみでこの手術が可能です。

声門下狭窄

低体重出生による長期挿管や先天性疾患による喉頭・声門下の狭窄は、非常に難治性が高く、対応できる病院も多くありません。当センターでは医師の豊富な経験に基づき、小児の気道狭窄、喉頭狭窄に対する気道管理や気管形成術など狭窄そのものの治療に対応します。

喉頭がん

長引く声がれの症状がある場合は(特に喫煙者)、すでに喉頭がんを発症していることも少なくありません。当センターでは、がんが広がった声帯の一部と周囲の組織を切除する喉頭垂直切除術や喉頭亜全摘術を行っています。これらの手術は、声帯や喉頭の一部を残すことが可能なため声を失うことがありません。さらに、食べた物が気管に入ってしまう嚥下障害も防げます。ただし、これらの手術は、当センターを含め限られた施設でしか行われていません。
重症化して音声を失う前に、適切な治療を受けることが重要です。