医療法人社団 高邦会 福岡山王病院

診療科・センター

放射線治療科

放射線治療装置「リニアック」による身体にやさしいがん治療を提供します

放射線治療は、手術療法や化学療法と並ぶ、がんの主要な治療法の一つです。放射線の細胞分裂を止める作用によって腫瘍を縮小させ、切らずにがんを治療できます。手術のように傷跡や身体の外観・機能が損なわれることもなく、麻酔をかける必要もありません。体に当たっても熱くも痛くもありません。

福岡山王病院の放射線治療科では、放射線治療専門医が精密に治療計画を立て、非常に精度の高い最新の放射線治療装置「リニアック」を用いて病巣部のみにピンポイントで照射し治療します。必要な範囲以外に照射される放射線は最小限にできるため、患者様に安心して受けていただけます。

放射線治療は、あらゆるがんに対する治療として、最大の効果と最小の副作用をめざし、手術や化学療法とともに、がん治療の根幹をなしています。また、がんの根治だけでなく、再発・転移などに伴う疼痛や神経麻痺などの症状を和らげることができます。一人でも多くのがん患者様に、福岡山王病院の高精度放射線治療を有効に利用していただけるよう、職員一同、医療技術の向上に日々努めています。
診療日時
金曜午後または土曜午前 (祝日除く) 
診療時間 9:00~13:00 14:00~17:00
受付時間 8:00~12:30 13:30~16:30
※診察は、予約制です。
連絡先
医療連携室
TEL.092-832-1107
FAX.092-832-1206
受付時間 月~土曜 8:30~17:30 (祝日除く)

放射線治療装置「リニアック」

がんの患者様を悩ませる問題のひとつに、がんによる疼痛があります。特に進行期、末期の患者様の7-8割は疼痛を訴えられます。疼痛はQOL(生活の質)を著しく損ないます。がんによる疼痛の除去にも、放射線治療は優れた効果があります。例えば、骨転移による疼痛がある場合、転移部位に放射線治療を行うことで8-9割の患者様の疼痛が軽減し、うち半数は疼痛が消滅します。がんによる神経麻痺、出血、呼吸障害、食物通過障害といったさまざまな症状の改善にも放射線治療は有効です。

放射線治療の流れ

01.診察・検査・受診

専門の医師が診察し、また種々の検査結果を参考にして治療方針(身体のどの部位に、どの装置を使って、どのくらいの放射線を照射するのか)を決定します。

02.治療方針の決定

03.インフォームドコンセント

治療の方法や意味、効果、危険性、その後の予想や治療にかかる費用などについて、十分にかつ分かりやすく説明し、その上で治療に同意していただきます。

04.治療計画

実際に放射線を照射する前に、治療計画用CTを撮影し、最適な範囲や方向を決めます。

05.位置決め

位置決めが終了すると、治療部位の皮膚に消えにくいインクで印をつけます。

06.治療(放射線照射)

治療中は体を動かさず、じっとしていただく必要があります。治療による痛みは全くありません。

  • 治療時間は一部位につき数分程度です。
  • 決められた回数の治療が必要です。担当医師が説明します。

07.経過観察・治療

放射線治療が終了された方は、基本的に紹介元の診療科で、その後の治療と経過観察を受けていただきます。

08.治療完了

 

身体にやさしいがん治療です

がんの治療は日進月歩で、とりわけ放射線治療は進化するコンピューター技術の恩恵を最も受けている分野です。従来の放射線治療では、病巣部の近くにある正常な臓器にも広く放射線が当たってしまうため、副作用も大きいことが問題でした。 ところが近年、CTやMRIなどの画像診断技術を応用した高精度放射線治療機器が開発され、病巣部の詳細な画像情報をもとに、正確な位置を3次元で把握することが可能になりました。加えて、マルチリーフコリメータと呼ばれる小さな放射線遮蔽体をミリメートル単位で操作することで、病巣部へのピンポイント照射ができるようになりました。これらハイテクノロジーに裏打ちされた照射技術の向上によって、今では放射線治療に伴う副作用の問題は少なくなりました。 手術や強い抗がん剤の使用を避けたい高齢の患者様にも安心して受けていただける、身体にやさしいがんの根治療法として、放射線治療は非常に注目されています。