膵臓内科・神経内分泌腫瘍センター
神経内分泌腫瘍を総合的に診るセンターとして九州で初めて開設
神経内分泌腫瘍はまれな腫瘍ですが、その患者数は年々増加傾向にあります。
当センターでは、伊藤鉄英センター長の豊富な経験に基づき、関連する診療科と連携して総合的な診療にあたります。
一方、膵臓内科では、神経内分泌腫瘍の診療だけでなく、嚢胞性膵腫瘍、慢性膵炎・急性膵炎・自己免疫性膵炎などの膵疾患、胆のう結石・総胆管結石、胆管炎などの胆道疾患、超音波内視鏡(EUS)による画像および組織診断、内視鏡逆行性胆道膵管造影(ERCP)による内視鏡的インターベンションも施行しています。2020年1月から日本膵臓学会指導施設に認定されています。
- 診療日時
- 月~木曜(祝日除く)
診療時間 9:00~13:00
受付時間 8:00~12:30
※診察につきましては、変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。 - 連絡先
- TEL.092-832-1100(代表)
TEL.092-832-1226(予約専用)
対象となる主な疾患
神経内分泌腫瘍、膵腫瘍(膵のう胞性腫瘍、膵がん)、膵疾患(慢性・急性膵炎、自己免疫性膵炎)
診療および特徴
神経内分泌腫瘍の患者様だけでなく、さまざまな膵臓疾患、胆道疾患の患者様を最新の検査手技・治療内容で診療しています。画像診断については各種画像検査や内視鏡検査を駆使し、緻密で確実な診断および、神経内分泌腫瘍、膵・胆道がんの早期発見に努めています。神経内分泌腫瘍の多くはソマトスタチン受容体を有しています。ソマトスタチン受容体シンチグラフィーはソマトスタチン受容体発現の有無を判断でき、神経内分泌腫瘍の病期診断や治療効果判定にも有用です。また、内視鏡検査・治療については、ERCP関連治療や、超音波内視鏡検査(EUS)、さらに超音波内視鏡による穿刺細胞検査(EUS-FNA)を行っています。
神経内分泌腫瘍の治療は外科的切除をめざすのが標準ですが、患者様の年齢や合併症、多発性肝転移や腹膜播種転移などの理由で切除できない場合は、高分化の場合はソマトスタチンアナログ、分子標的薬、または抗がん剤を用います。これらの薬剤を併用する場合もあります。腫瘍増殖を抑制し生命予後の改善と、臨床症状改善を目的とした治療が必要です。ハイボリュームセンターである福岡山王病院の治療実績は他の施設からも評価されており、多くの患者様が集まってきている理由の一つです。神経内分泌腫瘍はMEN-1、VHL病などの家族性遺伝子疾患に合併することもあり、この場合は治療方針も異なるため、神経内分泌腫瘍は専門医による診断および治療が必要な腫瘍です。
最近、放射性核種標識ペプチド治療(peptide receptor radionuclide therapy : PRRT)の一つであるルテチウムオキソドトレオチド(177Lu-oxodotreotide)が、ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍に対する適応症が承認され保険適用となりました。当センターでは全国に先駆け2021年より準備を始めてPRRT専用治療特別処置室を1部屋作成し、2022年3月よりPRRTを開始しております。