医療法人社団 高邦会 福岡山王病院

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お知らせ

2025.07.15

卵子凍結についてのご案内

女性の卵子はその方が胎児のときに作られた細胞が思春期以降に毎月排卵するのであり、実は新しく作られることはないのです。
したがって、年齢とともに卵子の数や質の低下は残念ながら避けられません。
また年齢とともにさまざまな疾患にかかるリスクも高くなっていきます。
実際、体外受精であっても30代後半に入るとご自身の卵子での妊娠率は急激に低下します(下図、米国CDC 2019より)

医学的には若い年齢での妊娠、出産が望ましいのですが、現代社会においては、さまざまな事情、 ご自身の仕事などのキャリア、家庭の状況などにより出産・育児をもう少し先でと考えることもあるでしょう。
また、いつか子供が欲しいけれどもまだ具体的な予定がないなど漠然とした不安をお持ちの方もあると思います。

このような場合の選択肢として、未受精卵の凍結保管という方法があります。

方法

通常の体外受精と同様に注射などにより卵巣を刺激して、複数個(10~20個程度)の卵子を採卵します。
体外受精ではこの卵子を精子と一緒にすることにより受精させるのですが、未受精卵子凍結の場合には、この採卵した卵子を未授精のまま凍結します。

将来妊娠を希望されたときにこの卵子を融解して、体外受精を行います。
 メリット
1)卵子の質や数の低下を一時的に止める効果が期待できる
2)将来かかるかもしれない疾病に備えることができる

 デメリット
1) 妊娠までにたどり着くかは不確実である
2) 体外受精と同様の卵巣刺激や採卵による副作用、合併症の可能性がある
3) 高齢妊娠に伴うリスクは回避できない


当院では、ご希望される方には、このような社会的な未受精卵子凍結(ノンメディカルな卵子凍結)を行っています。
ご希望の方は、リプロダクションセンターまでお問い合わせください。

※日本産科婦人科学会のホームページに掲載されています「ノンメディカルな卵子凍結をお考えの方へ」(ビデオ)を受診の前に観ていただくとスムーズです。

費用とスケジュール

 未受精卵子凍結は健康保険の適応外です。
 費用は患者様の状況により変動します。目安としてご覧ください。
 実際の方法やスケジュール、リスク、費用などの詳細につきましては、初診後の個別カウンセリングでご説明します。
お問い合わせ
リプロダクションセンター
TEL.092-832-1100 
[受付時間] 月~土曜 9:00~17:00(祝日除く)